ねざめ堂

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今年もまた暮れてった(雑記)

今年ふれたアニメ・音楽の中から、とくに好きだったものを雑然と振りかえっていきます。

『リコリス・リコイル』感想 ②正しさを志向しない千束の「マクシム」

『リコリス・リコイル』の感想②です。 感想 ①と②では、それぞれ リコリコには「正しさ」を志向しないからこその不埒な魅力がある リコリコは「正しさ」を志向していないように見えるが、しかし…… という話をしています。 ①と②で互いに補完しあう(バディ的?…

『リコリス・リコイル』感想 ①正しさを志向しない不埒な魅力

『リコリス・リコイル』の感想記事2本です。 感想①と②では、それぞれ リコリコには「正しさ」を志向しないからこその不埒な魅力がある リコリコは「正しさ」を志向していないように見えるが、しかし…… という話をしています。 ①と②で互いに補完しあう(バデ…

(雑感想)『リコリス・リコイル』最終回での千束と真島の缶ジュース回し飲みだけど

あれはシンプルに「同じジュースを飲んでも味への感想は違う」=「世界の捉え方や正義への考え方は人それぞれ」ということを表すアナロジカルな演出にすぎないのであってだからあんなことでちさたきはこれっぽっちも揺るいだりしないんですよ!!!! (タイ…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形』感想

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形』(2019年)*1のネタバレ感想です。 この記事は、以前書いた『ヴァイオレット』テレビ版感想記事へのごく簡単な付け足し・補遺という位置づけです。そのため、↓を読んでいないと分かりづらい個…

『リズと青い鳥』雑感(再掲)

このブログでは年末に『今年もまた暮れてった』というタイトルの記事を掲載するのが毎年の恒例行事になっています。 内容はたいてい、雑然とした一年間の振り返り。短時間で書き散らしてさっとアップして、お正月が過ぎると引っ込めてしまうという、松飾りみ…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』感想④:他者の流入

※感想③はこちら 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』最終話までに加えて、話の都合で『CLANNAD ~AFTER STORY~』のネタバレもしています。ご了承ください。

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』感想③:未来の流入

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(公式サイト)については、第6話までが放映された時点で記事を書いたんですけど、 感想①:変えられる / 変わってしまうものとしての過去 感想②:他人のなかの未来の自分 この内容を踏まえたうえで、今回はアニメ最終…

雑記:『リズと青い鳥』

※この雑記は次回更新時に削除します 本日から公開の『リズと青い鳥』観てきました。 『リズと青い鳥』公式サイト ネタバレは避けつつ、でも何か言ってみたい衝動に負けての勢いまかせのつぶやきなんですが、えーとこのアニメーションは今までのアニメーショ…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』感想②:他人のなかの未来の自分

※感想①:過去編に続き、②未来編 です。今回も、第1話~第6話のネタバレ注意です。

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』感想①:変えられる / 変わってしまうものとしての過去

放映中のアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(公式サイト)の感想です。原作小説は未読なので、アニメ版のみについての内容になっています。 今回はテーマごとに、記事を ①過去編 ②未来編 の2本に分けてみました。どちらも、第1話~第6話(現時…

『3月のライオン』(アニメ版)感想②:桐山零の見習い時代

10月から第2シリーズの放映がスタートした『3月のライオン』(公式サイト)。このアニメについては、以前当ブログで第1シリーズ前半分(第1話~第11話)の感想を書いたんですが、 『3月のライオン』(アニメ版)感想①:「競争」と「共同体」のバランスゲー…

『クズの本懐』感想(後編):花火と茜・ひとりのヒロイン

今年の1~3月に放映されていたアニメ版『クズの本懐』(公式サイト)。放映中に第1~6話までの感想はアップしていたのですが、 『クズの本懐』感想(前編):代替可能な恋愛関係 この内容を前提としたうえで、「後編」として、シリーズ全体の感想です。今回は…

『Another』感想:「悪意」の介在しないホラー

※綾辻行人のベストセラー小説で、アニメ・実写映画化もされたホラーミステリ『Another アナザー』の感想です。ネタバレあり〼

『小林さんちのメイドラゴン』感想:イシュカン・ディスコミュニケーション

先日最終回が放映された『小林さんちのメイドラゴン』(公式サイト)。 あまりにも愛おしいアニメだったので完全にドラゴンロスになってしまい、春アニメに頭がうまく切り替えられない状態です。ずっと前から言われてることだけど、放映されるアニメが多すぎ…

『けものフレンズ』感想:人類の夜明けぜよ。

正直なところ、第11話まではずーっと「なんでここまで人気なんかな?」と首を傾げながら視聴しておりました『けものフレンズ』(公式サイト)。 面白さに惹かれてというより、自分には魅力が理解できない人気作を「でも視野を狭めたらアカンよな」という動機…

『クズの本懐』感想(前編):代替可能な恋愛関係

現在ノイタミナ枠で放映中のアニメ『クズの本懐』(公式サイト)。 昼ドラばりの扇情的なエロ展開を連発しているようでいて、根っこの部分では青春ものの王道テーマをきっちりとふまえた良作で、毎週楽しく観ております。花火ちゃん愚かわいい。 この記事は…

『3月のライオン』(アニメ版)感想①:「競争」と「共同体」のバランスゲーム

NHK総合で毎週土曜日に放映中のアニメ『3月のライオン』(公式サイト)。 じつは私はまだ羽海野チカの原作を読んでいないのですが(『ハチミツとクローバー』は大好きだったので、こちらもそのうちまとめ読みしたい)、数々の賞を受賞し大ヒット、今春には…

『がっこうぐらし!』感想 ~丈槍由紀と「かれら」の失楽園

アニメ版『がっこうぐらし!』の感想です。この作品については、リアルタイム放映時(2015年秋)にも記事を書いていたんですが↓ 丈槍由紀は堕天する、のか? ~『がっこうぐらし!』雑感 丈槍由紀の(半)堕天 ~『がっこうぐらし!』雑感 その② 今回はあら…

映画『聲の形』感想メモ:「スキ」と「バカ」

※ちょっとした「気付き」についてのメモ的記事。ネタバレあり〼 先日行われた『聲の形』の舞台挨拶で、山田尚子監督がこんなエピソードを披露していたそうです。原作にはないアニメオリジナルのシーン…学園祭での硝子と植野の「バカ」のやりとり、手話(指文…

『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』記事のまとめ

当ブログでは『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』関連の記事を書きすぎて、どれから読んだら良いのかわかりにくい状態になってしまっているので、比較的まとまりが良いんじゃないかなー?と思われる記事を4本抜粋して宣伝です。 まず『たまこまー…

映画『聲の形』感想 ~コミュニケーションの不完全さをあぶりだす

※記事前半はネタバレなし、後半はネタバレあり感想です。 先日、試写会でひと足早く、映画『聲の形』(公式サイト)を観ることができました。誘ってくれたランゲージダイアリーの相羽さん(ブログ)ありがとうございます!! 大変な傑作でした...。「すっご…

『ふらいんぐうぃっち』をキーカラーで振り返る

当ブログではこのところアニメの記事がご無沙汰だったんですが、今期もいろいろと楽しく観ておりました。 なかでも『ふらいんぐうぃっち』は、一見のほほんとしているようでその実しっかりと練り込まれたストーリー構成や、きめ細かい演出に惚れ惚れとさせら…

『無彩限のファントム・ワールド』と、10年代京アニの現在地点(後編)

※前編はこちら ◯虚構は現実に憧れる 前編は「現実・日常」指向の強い『けいおん!』と、その後期から浮上した「共同体テーマ」についてざっと触れたところで終わりました。 ここからの後編では「虚構と現実の縫合」へのアプローチを継続した作品について見て…

『無彩限のファントム・ワールド』と、10年代京アニの現在地点(前編)

ゼロ年代京都アニメーションの代表作『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズ。 この記事は、「10年代京アニ諸作品の原点=『ハルヒ』」という仮定のもとに、『ハルヒ』以降の京アニがどのように作品を発展・展開させた結果、最新作『無彩限のファントム・ワールド』に…

『モンスターズ・インク』 ~システム再定義の物語

こんどの金・土曜日に『モンスターズ・インク』(2001年)~『モンスターズ・ユニバーシティ』(2013年)の連続放送があるそうです(終了しました)。とくに『モンスターズ・インク』は傑作なので、未見の方はぜひ! このアニメ、エネルギー供給システム(広…

「スクールアイドル・プロジェクト 第0話」としての『ラブライブ!The School Idol Movie』

公開時に観逃していた劇場版*1をようやくフォローできたので感想です。 「神モブ」(通称)のテレビ版からのキャラ変更を起点に、あれこれ考えたことなど(ネタバレ注意)。 ◯テレビ版とのコンセプトの違い 観終えてまず思ったのは、テレビ版と今回の劇場版…

「メタ日常系アニメ」あるいは「共同体アニメ」としての『たまこまーけっと』

この記事は、一連の「たまこまーけっとを振り返る」シリーズ(記事一覧 )の補記として、作品世界の構造をあらためて整理することを目的としたものです。 これまでの記事とかなり重複する個所がありますが、ご容赦ください。このテーマで単独で記事を1本立…

『たまこまーけっと』を振り返る 第11話・第12話

基本的に一話完結だった『たまこまーけっと』で、初めての続きものエピソード…ということで、今回は、第11話・第12話(最終回)の合わせ技。 ね、年内に完結させようと焦ったわけじゃないんだからね! 『たまこまーけっと』シリーズのネタバレがありますので…

『たまこまーけっと』を振り返る 第10話

『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第10話『あの子のバトンに花が咲く』 脚本:横手美智子絵コンテ・演出:小川太一作画監督:丸木宣明 第3話『クールなあの子にあっちっち』の感想と被ってしまいますが、第3…