ねざめ堂

アニメ・映画・音楽

アニメ

『クズの本懐』感想(後編):花火と茜・ひとりのヒロイン

今年の1~3月に放映されていたアニメ版『クズの本懐』(公式サイト)。放映中に第1~6話までの感想はアップしていたのですが、 『クズの本懐』感想(前編):代替可能な恋愛関係 この内容を前提としたうえで、「後編」として、シリーズ全体の感想です。今回は…

『Another』感想:「悪意」の介在しないホラー

※綾辻行人のベストセラー小説で、アニメ・実写映画化もされたホラーミステリ『Another アナザー』の感想です。ネタバレあり〼

『小林さんちのメイドラゴン』感想:イシュカン・ディスコミュニケーション

先日最終回が放映された『小林さんちのメイドラゴン』(公式サイト)。 あまりにも愛おしいアニメだったので完全にドラゴンロスになってしまい、春アニメに頭がうまく切り替えられない状態です。ずっと前から言われてることだけど、放映されるアニメが多すぎ…

『けものフレンズ』感想:人類の夜明けぜよ。

正直なところ、第11話まではずーっと「なんでここまで人気なんかな?」と首を傾げながら視聴しておりました『けものフレンズ』(公式サイト)。 面白さに惹かれてというより、自分には魅力が理解できない人気作を「でも視野を狭めたらアカンよな」という動機…

『クズの本懐』感想(前編):代替可能な恋愛関係

現在ノイタミナ枠で放映中のアニメ『クズの本懐』(公式サイト)。 昼ドラばりの扇情的なエロ展開を連発しているようでいて、根っこの部分では青春ものの王道テーマをきっちりとふまえた良作で、毎週楽しく観ております。花火ちゃん愚かわいい。 この記事は…

『3月のライオン』(アニメ版)感想:「競争」と「共同体」のバランスゲーム

NHK総合で毎週土曜日に放映中のアニメ『3月のライオン』(公式サイト)。 じつは私はまだ羽海野チカの原作を読んでいないのですが(『ハチミツとクローバー』は大好きだったので、こちらもそのうちまとめ読みしたい)、数々の賞を受賞し大ヒット、今春には…

『がっこうぐらし!』感想 ~丈槍由紀と「かれら」の失楽園

アニメ版『がっこうぐらし!』の感想です。この作品については、リアルタイム放映時(2015年秋)にも記事を書いていたんですが↓ 丈槍由紀は堕天する、のか? ~『がっこうぐらし!』雑感 丈槍由紀の(半)堕天 ~『がっこうぐらし!』雑感 その② 今回はあら…

映画『聲の形』感想メモ:「スキ」と「バカ」

※ちょっとした「気付き」についてのメモ的記事。ネタバレあり〼 先日行われた『聲の形』の舞台挨拶で、山田尚子監督がこんなエピソードを披露していたそうです。原作にはないアニメオリジナルのシーン…学園祭での硝子と植野の「バカ」のやりとり、手話(指文…

『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』記事のまとめ

当ブログでは『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』関連の記事を書きすぎて、どれから読んだら良いのかわかりにくい状態になってしまっているので、比較的まとまりが良いんじゃないかなー?と思われる記事を4本抜粋して宣伝です。 まず『たまこまー…

映画『聲の形』感想 ~コミュニケーションの不完全さをあぶりだす

※記事前半はネタバレなし、後半はネタバレあり感想です。 先日、試写会でひと足早く、映画『聲の形』(公式サイト)を観ることができました。誘ってくれたランゲージダイアリーの相羽さん(ブログ)ありがとうございます!! 大変な傑作でした...。「すっご…

『ふらいんぐうぃっち』をキーカラーで振り返る

当ブログではこのところアニメの記事がご無沙汰だったんですが、今期もいろいろと楽しく観ておりました。 なかでも『ふらいんぐうぃっち』は、一見のほほんとしているようでその実しっかりと練り込まれたストーリー構成や、きめ細かい演出に惚れ惚れとさせら…

『無彩限のファントム・ワールド』と、10年代京アニの現在地点(後編)

※前編はこちら ◯虚構は現実に憧れる 前編は「現実・日常」指向の強い『けいおん!』と、その後期から浮上した「共同体テーマ」についてざっと触れたところで終わりました。 ここからの後編では「虚構と現実の縫合」へのアプローチを継続した作品について見て…

『無彩限のファントム・ワールド』と、10年代京アニの現在地点(前編)

ゼロ年代京都アニメーションの代表作『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズ。 この記事は、「10年代京アニ諸作品の原点=『ハルヒ』」という仮定のもとに、『ハルヒ』以降の京アニがどのように作品を発展・展開させた結果、最新作『無彩限のファントム・ワールド』に…

『モンスターズ・インク』 ~システム再定義の物語

こんどの金・土曜日に『モンスターズ・インク』(2001年)~『モンスターズ・ユニバーシティ』(2013年)の連続放送があるそうです(終了しました)。とくに『モンスターズ・インク』は傑作なので、未見の方はぜひ! このアニメ、エネルギー供給システム(広…

「スクールアイドル・プロジェクト 第0話」としての『ラブライブ!The School Idol Movie』

公開時に観逃していた劇場版*1をようやくフォローできたので感想です。 「神モブ」(通称)のテレビ版からのキャラ変更を起点に、あれこれ考えたことなど(ネタバレ注意)。 ◯テレビ版とのコンセプトの違い 観終えてまず思ったのは、テレビ版と今回の劇場版…

「メタ日常系アニメ」あるいは「共同体アニメ」としての『たまこまーけっと』

この記事は、一連の「たまこまーけっとを振り返る」シリーズ(記事一覧 )の補記として、作品世界の構造をあらためて整理することを目的としたものです。 これまでの記事とかなり重複する個所がありますが、ご容赦ください。このテーマで単独で記事を1本立…

『たまこまーけっと』を振り返る 第11話・第12話

基本的に一話完結だった『たまこまーけっと』で、初めての続きものエピソード…ということで、今回は、第11話・第12話(最終回)の合わせ技。 ね、年内に完結させようと焦ったわけじゃないんだからね! 『たまこまーけっと』シリーズのネタバレがありますので…

『たまこまーけっと』を振り返る 第10話

『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第10話『あの子のバトンに花が咲く』 脚本:横手美智子絵コンテ・演出:小川太一作画監督:丸木宣明 第3話『クールなあの子にあっちっち』の感想と被ってしまいますが、第3…

『たまこまーけっと』を振り返る 第9話

『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』のネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第9話『歌っちゃうんだ、恋の歌』 脚本:吉田玲子 絵コンテ・演出:三好一郎 作画監督:内藤直 脚本・吉田玲子と、演出・三好一郎(木上益治)の匠の技が冴えわ…

『たまこまーけっと』を振り返る 第8話

『たまこまーけっと』シリーズのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第8話『ニワトリだとは言わせねぇ』 脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:武本康弘 作画監督:植野千世子 うさぎ山商店街という「場」のあり方を、商店街の「外側」を意識させる描…

丈槍由紀の(半)堕天 ~『がっこうぐらし!』雑感 その②

※前回の記事(丈槍由紀は堕天する、のか? )に付け足しで、最終回の感想。ネタバレ注意です。 ▶︎日常系的妄想世界と、ゾンビまみれの現実との間で揺れていた由紀。最終的には、日常系的な想像力を「現実逃避の手段」から「現実にコミットし、現状を打破する…

丈槍由紀は堕天する、のか? ~『がっこうぐらし!』雑感

※原作マンガは未読、アニメ版第9話までに準拠したネタバレ感想です。 ◯月宮あゆと丈槍由紀と、天使のリュック ▶︎『がっこうぐらし!』が面白い。ヒロインの丈槍由紀が、荒廃したゾンビだらけの世界で平穏な学園生活を妄想し、周囲の部員たちがその妄想世界…

『たまこまーけっと』を振り返る 第7話

『たまこまーけっと』シリーズのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第7話『あの子がお嫁にいっちゃった』 脚本:吉田玲子 絵コンテ:内海紘子 演出:石原立也・石立太一 作画監督:池田和美 スタッフの布陣が豪華ですが、シリーズ的にもターニング…

『響け!ユーフォニアム』を振り返る 後編:ポスト・キョンとしての黄前久美子

前編はこちら 『響け!ユーフォニアム』シリーズ全編に加えて、原作小説1巻(アニメ最終回までに相当)、そして『涼宮ハルヒの憂鬱』(アニメ版)のネタバレがありますので、ご注意ください。

『響け!ユーフォニアム』を振り返る 前編:他者の異質性の肯定

最終回が終ってしまったショックで(アニメ生活的に)ちょっと抜け殻になってたんですけど、気を取り直して感想を。 以前、第1回~第10回までについて「「異質な他者」の可能性 」という記事を書いたので、今回はそれをふまえての、最終回までのネタバレ…

『たまこまーけっと』を振り返る 第6話

※『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第6話『俺の背筋も凍ったぜ』 脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:河浪栄作 作画監督:引山佳代 『たまこまーけっと』というアニメの語り口の特異さについては、これまでの…

『響け!ユーフォニアム』 第12回で描かれる「鏡」としての他者

なにかと周囲に流されやすく、楽器もなんとなく成り行きで決めたようなキャラクターだった久美子が、ユーフォニアムにたいしての自分の気持ちを確認する、という「主人公覚醒回」だった第12回。 …なんですが、その「覚醒」は自分の中だけでもたらされるも…

『響け!ユーフォニアム』で描かれる「異質な他者」の可能性

※『響け!ユーフォニアム』第10話までのネタバレを含みますので、ご注意ください。 ◯前提:京都アニメーション作品の文脈 これは、去年の春に『ハナヤマタ』の放映が始まったときの「ランゲージダイアリー」相羽さんの記事なのですが(言及リンクありがと…

『響け!ユーフォニアム』第八回 しかえしポニーテール

※前回の記事のおまけです。

『響け!ユーフォニアム』第8話の麗奈無双と、キャラクターのネーミングについて

※ネタバレ注意です。 あらゆる意味で凄かった第8話。 とくにBパートの麗奈様無双には圧倒されました。いつもはクールで無表情な彼女ですが、「学校の外」「夜」という、作品の「日常」からはちょっとだけ離れたセッティングに「久美子の前」という条件がプ…