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ねざめ堂

アニメ・映画・音楽

『Dolls ドールズ』感想:人が向きあうことの困難さ

北野武監督『Dolls ドールズ』(2002年)の感想です。 じつはこれ、長年「北野監督のなかではイマイチだな〜」という印象をもっていた映画だったんですが、先日の深夜テレビでやっていたので久々に観てみたら、思いのほか良くてびっくり。よくいわれることで…

『ゴーン・ガール』感想  ~「外面」が勝利する世界

デヴィッド・フィンチャー監督『ゴーン・ガール』(2014年)の感想です。この映画については、公開当時に記事を書いたんですけど↓ 軟着陸は可能か? ~『ゴーン・ガール』感想 今回の文章は、そのときボツにしたバージョンです(さいきん文書フォルダを整理…

『淵に立つ』の浅野忠信をみて考えたこと

『淵に立つ』(公式サイト)を観た。素晴らしかった。「夫婦や親子といってもやっぱり理解しあえない他人同士だし、そういう人たちがなんか一緒に暮らしてる家族って不思議」という映画で、でも「しょせんは家族なんて」みたいな幼稚な露悪趣味は感じさせず…

『パルプ・フィクション』感想 〜ストーリーとテーマの「ズレ」が生む気持ち良さ

クエンティン・タランティーノ監督『パルプ・フィクション』(1994年)を超ひさびさに観直したので感想です。ネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯ストーリー:着地点なし 『パルプ・フィクション』はいちおうクライム・ムービーの体裁をそなえてはい…

『菊次郎の夏』感想 ~「あの世」からの生還

北野武監督の『ソナチネ』(1993年)と『菊次郎の夏』(1999年)を比較した記事を以前書いたことがあるのですが、 北野映画、「遊び」の意味の変遷 ~『ソナチネ』『菊次郎の夏』感想 今回は、その文章には盛り込むことのできなかった事柄を掬い上げた記事で…

『クリーピー 偽りの隣人』感想 〜「本当はつながってないよ、人間なんて」

楽しみにしていたのに何かとタイミングがあわず、先日やっと観てきた『クリーピー 偽りの隣人』。 大傑作でした。ひさびさの「ジャンルから逸脱するジャンル映画」を撮る黒沢清!バカでかい掃除機最高!!! 以下、ネタバレ感想です。 ◯秩序型・無秩序型・混…

『アウトレイジ』と『アウトレイジ・ビヨンド』の面白味の違い

ふと思い立って、公開当時に映画館で観たきりだった北野武監督『アウトレイジ』(2010年)と続編『アウトレイジ・ビヨンド』(2012年)をまとめて鑑賞。 続けて観たら、シリーズ1作目と2作目ではけっこう違う種類の面白味を追求していることに気付いたので…

『ワールド・ウォー・Z』(小説版)~中心のない悪夢

世界ゾンビ大戦小説『ワールド・ウォー・Z』を今ごろ読んだので感想です(原書:2006年 日本語版:2010年出版)。著者のマックス・ブルックスって、あのメル・ブルックスの息子なんですね。びっくり。 小説とは別物だった、ブラッド・ピット主演の映画版(20…

『ドリーマーズ』 〜脱出→回収のサイクル

じき5月なので…という訳でもないですが、5月革命のころのパリを舞台にした映画、ベルナルド・ベルトルッチ監督『ドリーマーズ』(2003年)のネタバレ感想です。

都市に踏みとどまる「赤い服の女」 ~『トウキョウソナタ』感想

昨年の『岸辺の旅』に続き、今年も黒沢清監督の新作が2本も観られる!嬉しい。 まず『クリーピー』(公式サイト )は6月公開。最近、一足先に観た人たちの「やべえ!」というリアクションがちらほらと視界に入ってきてイライラMAXです。はやく観てえ...。…

「ファミリー」映画としての『オーシャンズ12』

景気の悪いことが多くて、パーっと豪華な娯楽映画が見たい気分になったので、ひさびさに『オーシャンズ12』を鑑賞。 これを3週間で撮影してしまうソダーバーグ!クルーニーとブラピが並んだときの無敵のゴージャス感!なんか色々と別次元です。ハリウッドす…

双方向の侵蝕 ~『ベニスに死す』感想

お正月に久々に観返したら、やっぱり「エエな〜」となったので、むかし他所のサイトに投稿した感想文をちょっといじって転載(小説じゃなくて、ルキノ・ヴィスコンティの映画版の感想です)。

ダイ・ハード老人に戦慄する ~『ザ・シークレット・サービス』感想

先日の深夜に地元のテレビ局で放映されていたから…というローカルな理由で、『ザ・シークレット・サービス』(1993年 ウォルフガング・ペーターゼン監督 クリント・イーストウッド主演)*1のネタバレ感想です。 ペーターゼン監督の映画って、超大作になると…

良いニュースと、悪いニュースがある。 ~『パンチドランク・ラブ』感想

ポール・トーマス・アンダーソン監督の新作『インヒアレント・ヴァイス』が公開中。 映画『インヒアレント・ヴァイス』オフィシャルサイト 原作トマス・ピンチョン(おお)、音楽は今回もジョニー・グリーンウッド様。え、CANの『ビタミンC』なんて使ってる…

軟着陸は可能か? ~『ゴーン・ガール』感想

映画『ゴーン・ガール』オフィシャルサイト 面白かった! 149分かけて、物語のスタート時には想像もしなかった奇妙な地点まで連れていかれてしまう、ワープホールみたいな映画でした。 公式サイトのリンクを貼りましたが、もし観にいく予定があれば、内容に…

「身も蓋もない」という誠実さ ~ 『ソーシャル・ネットワーク』感想

『ソーシャル・ネットワーク』(2010年)は、マーク・ザッカーバーグがFacebookを立ち上げ、それが巨大化していく様を描いた作品で、つまり実在の人物・出来事を題材にとっていました。 とはいえ、さまざまな出来事の断片からなる誰かの人生を、一本のストー…

北野映画、「遊び」の意味の変遷  ~『ソナチネ』『菊次郎の夏』感想

8月ももうすぐ終り。「今年もまた夏らしいことができなかった…」というガッカリ感がヤバいので、せめてもの夏のしめくくりにキタノブルーでも!と思いたって、何本かまとめて北野映画を観返すなど。今回はその中から『ソナチネ』と『菊次郎の夏』の感想です…

『ハンコック』にみる、"アメリカ" のオリジナル・コンセプト 

今日の夜テレビ放映、ということで思い出して、以前書いた文章をひっぱり出してみました。結末には触れていませんが、一部ネタバレを含みますのでご注意ください。 宗教がかった『アイ・アム・レジェンド』といい、ヘンな映画ばかり撮っているアレックス・プ…

「はみだし者」の存在意義 〜 僕らはみんな河合荘 感想

※『僕らはみんな河合荘』第6話『もしかして』のネタバレがありますのでご注意ください。 アニメやまんがにでてくる「下宿」や「寮」って、「変人の巣窟」なことが多いですね。とくに、そこが作品のメイン舞台の場合。 作り手は「おもしろい話」を作ろうとし…