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ねざめ堂

アニメ・映画・音楽

京都アニメーション

『小林さんちのメイドラゴン』感想:イシュカン・ディスコミュニケーション

先日最終回が放映された『小林さんちのメイドラゴン』(公式サイト)。 あまりにも愛おしいアニメだったので完全にドラゴンロスになってしまい、春アニメに頭がうまく切り替えられない状態です。ずっと前から言われてることだけど、放映されるアニメが多すぎ…

『3月のライオン』(アニメ版)感想:「競争」と「共同体」のバランスゲーム

NHK総合で毎週土曜日に放映中のアニメ『3月のライオン』(公式サイト)。 じつは私はまだ羽海野チカの原作を読んでいないのですが(『ハチミツとクローバー』は大好きだったので、こちらもそのうちまとめ読みしたい)、数々の賞を受賞し大ヒット、今春には…

映画『聲の形』感想メモ:「スキ」と「バカ」

※ちょっとした「気付き」についてのメモ的記事。ネタバレあり〼 先日行われた『聲の形』の舞台挨拶で、山田尚子監督がこんなエピソードを披露していたそうです。原作にはないアニメオリジナルのシーン…学園祭での硝子と植野の「バカ」のやりとり、手話(指文…

『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』記事のまとめ

当ブログでは『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』関連の記事を書きすぎて、どれから読んだら良いのかわかりにくい状態になってしまっているので、比較的まとまりが良いんじゃないかなー?と思われる記事を4本抜粋して宣伝です。 まず『たまこまー…

映画『聲の形』感想 ~コミュニケーションの不完全さをあぶりだす

※記事前半はネタバレなし、後半はネタバレあり感想です。 先日、試写会でひと足早く、映画『聲の形』(公式サイト)を観ることができました。誘ってくれたランゲージダイアリーの相羽さん(ブログ)ありがとうございます!! 大変な傑作でした...。「すっご…

『無彩限のファントム・ワールド』と、10年代京アニの現在地点(後編)

※前編はこちら ◯虚構は現実に憧れる 前編は「現実・日常」指向の強い『けいおん!』と、その後期から浮上した「共同体テーマ」についてざっと触れたところで終わりました。 ここからの後編では「虚構と現実の縫合」へのアプローチを継続した作品について見て…

『無彩限のファントム・ワールド』と、10年代京アニの現在地点(前編)

ゼロ年代京都アニメーションの代表作『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズ。 この記事は、「10年代京アニ諸作品の原点=『ハルヒ』」という仮定のもとに、『ハルヒ』以降の京アニがどのように作品を発展・展開させた結果、最新作『無彩限のファントム・ワールド』に…

「メタ日常系アニメ」あるいは「共同体アニメ」としての『たまこまーけっと』

この記事は、一連の「たまこまーけっとを振り返る」シリーズ(記事一覧 )の補記として、作品世界の構造をあらためて整理することを目的としたものです。 これまでの記事とかなり重複する個所がありますが、ご容赦ください。このテーマで単独で記事を1本立…

『たまこまーけっと』を振り返る 第11話・第12話

基本的に一話完結だった『たまこまーけっと』で、初めての続きものエピソード…ということで、今回は、第11話・第12話(最終回)の合わせ技。 ね、年内に完結させようと焦ったわけじゃないんだからね! 『たまこまーけっと』シリーズのネタバレがありますので…

『たまこまーけっと』を振り返る 第10話

『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第10話『あの子のバトンに花が咲く』 脚本:横手美智子絵コンテ・演出:小川太一作画監督:丸木宣明 第3話『クールなあの子にあっちっち』の感想と被ってしまいますが、第3…

『たまこまーけっと』を振り返る 第9話

『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』のネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第9話『歌っちゃうんだ、恋の歌』 脚本:吉田玲子 絵コンテ・演出:三好一郎 作画監督:内藤直 脚本・吉田玲子と、演出・三好一郎(木上益治)の匠の技が冴えわ…

『たまこまーけっと』を振り返る 第8話

『たまこまーけっと』シリーズのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第8話『ニワトリだとは言わせねぇ』 脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:武本康弘 作画監督:植野千世子 うさぎ山商店街という「場」のあり方を、商店街の「外側」を意識させる描…

『たまこまーけっと』を振り返る 第7話

『たまこまーけっと』シリーズのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第7話『あの子がお嫁にいっちゃった』 脚本:吉田玲子 絵コンテ:内海紘子 演出:石原立也・石立太一 作画監督:池田和美 スタッフの布陣が豪華ですが、シリーズ的にもターニング…

『響け!ユーフォニアム』を振り返る 後編:ポスト・キョンとしての黄前久美子

前編はこちら 『響け!ユーフォニアム』シリーズ全編に加えて、原作小説1巻(アニメ最終回までに相当)、そして『涼宮ハルヒの憂鬱』(アニメ版)のネタバレがありますので、ご注意ください。

『響け!ユーフォニアム』を振り返る 前編:他者の異質性の肯定

最終回が終ってしまったショックで(アニメ生活的に)ちょっと抜け殻になってたんですけど、気を取り直して感想を。 以前、第1回~第10回までについて「「異質な他者」の可能性 」という記事を書いたので、今回はそれをふまえての、最終回までのネタバレ…

『たまこまーけっと』を振り返る 第6話

※『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第6話『俺の背筋も凍ったぜ』 脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:河浪栄作 作画監督:引山佳代 『たまこまーけっと』というアニメの語り口の特異さについては、これまでの…

『響け!ユーフォニアム』 第12回で描かれる「鏡」としての他者

なにかと周囲に流されやすく、楽器もなんとなく成り行きで決めたようなキャラクターだった久美子が、ユーフォニアムにたいしての自分の気持ちを確認する、という「主人公覚醒回」だった第12回。 …なんですが、その「覚醒」は自分の中だけでもたらされるも…

『響け!ユーフォニアム』で描かれる「異質な他者」の可能性

※『響け!ユーフォニアム』第10話までのネタバレを含みますので、ご注意ください。 ◯前提:京都アニメーション作品の文脈 これは、去年の春に『ハナヤマタ』の放映が始まったときの「ランゲージダイアリー」相羽さんの記事なのですが(言及リンクありがと…

『響け!ユーフォニアム』第八回 しかえしポニーテール

※前回の記事のおまけです。

『響け!ユーフォニアム』第8話の麗奈無双と、キャラクターのネーミングについて

※ネタバレ注意です。 あらゆる意味で凄かった第8話。 とくにBパートの麗奈様無双には圧倒されました。いつもはクールで無表情な彼女ですが、「学校の外」「夜」という、作品の「日常」からはちょっとだけ離れたセッティングに「久美子の前」という条件がプ…

『響け!ユーフォニアム』3年生メンバーたちの関係性に萌える

※タイトルどおり、3年生メンバーたちの関係性に萌えてるだけのゆるーい記事です。第7話までのネタバレがありますので、ご注意ください。 『響け!ユーフォニアム』が毎週素晴らしすぎて幸せです。 どのエピソードも何回も観返してるんですけど、演出・作画…

『たまこまーけっと』を振り返る 第5話

『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第5話『一夜を共に過ごしたぜ』 脚本:花田十輝 絵コンテ・演出:太田里香 作画監督:秋竹斉一 『たまこまーけっと』では、北白川たまこと共に「うさぎ山商店街」という場…

『たまこまーけっと』を振り返る 第4話

今日、4月19日(日曜)の深夜0時から、WOWOWで『たまこまーけっと』第1〜6話が放映(7〜12話は翌週放映)。 たまこまーけっと|アニメ|WOWOWオンライン そして4月29日(水・祝)には、『たまこラブストーリー』がテレビ初放映。 たまこラブスト…

『たまこまーけっと』を振り返る 第3話

『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第3話『クールなあの子にあっちっち』 脚本:吉田玲子絵コンテ・演出:小川太一作画監督:丸木宣明 最近だと『甘城ブリリアントパーク』第4話(感想)と第10話でも素晴…

『たまこまーけっと』を振り返る 第2.5話 ~ 作品の視点の特異さについて

3月18日(水)に『たまこまーけっと』BD-BOXが発売。 Blu-ray & DVD:PRODUCT | 『たまこラブストーリー』公式サイト そして本日、3月15日(日)深夜からスタートするWOWOWの京アニ特番。 設立30周年!“京都アニメーション”春の祭典|アニメ|WOWOW 下…

『たまこまーけっと』を振り返る 第2話

ここ数年、バレンタイン時期になると『氷菓』の『手作りチョコレート事件』とこの話はかならず観返してます(今年もみました!アニメの中のバレンタインって...いいよね)。 本文中は『たまこまーけっと』全話、『たまこラブストーリー』のネタバレがありま…

『たまこまーけっと』を振り返る 第1話

2回にわたる前振り(「序論」「第0話 オ−プニングについて」 )を経て、やっとこさ第1話の振り返りです。『たまこまーけっと』シリーズ全話+『たまこラブストーリー』のネタバレがありますのでご注意ください。

『たまこまーけっと』を振り返る 第0話 オ−プニングについて

年が明けての1回目は、放送2周年の『たまこまーけっと』記事。月1~2回のペースで、全12話分。年内には予定通り終わっているといいな、ぐらいのゆる~い企画です。 (このシリーズの前振り記事はこちら→序論「結局、デラってなんだったの?」 ) 今回は…

『たまこまーけっと』を振り返る:序論「結局、デラってなんだったの?」

※『たまこまーけっと』全話のネタバレがありますので、ご注意ください。 『たまこラブストーリー 』円盤発売のときの記事 で、「たまこ関連の記事はこれで最後」みたく書いたのをあっさりと覆して、「『たまこまーけっと』を1話ずつ振り返る企画をやろう!…

甘城ブリリアントパーク 第8話『恋心が届かない!』感想

ネタバレ注意です。 シンプルにギャグ回としても面白いし、作品のテーマにも直結と、充実回だった第8話。個人的には、コミュ障の西也と中城椎菜のあいだの溝を、いすずやモッフルたちが「コミュニケーションのリレーに失敗することで、逆に繋ぐ」というあた…

甘城ブリリアントパーク 第7話『プールが危ない!』感想

もうちょっと話がたまってから感想を書く予定だったんですけど、前回書いた、1~6話通しての感想記事とけっこうダイレクトに繋がる内容のエピソードだったので、思わず更新。ネタバレ注意です。 前回の記事でも第4話をメインに取り上げましたが、現在まで…

可児江西也と千斗いすずは「バディ」になれるのか 〜『甘城ブリリアントパーク』感想

『甘城ブリリアントパーク』前半終了なので、第1〜6話通しての感想を。ネタバレ注意です。 第3話までは、パークの全体的・外面的な窮状がメインに描かれていた『甘ブリ』ですが、第4話(感想 )・第6話と、ヒロイン・千斗いすずの心情にフォーカスした…

甘城ブリリアントパーク 第4話『秘書が使えない!』感想

第4話がすごく好きなエピソードだったので、思わず更新。ネタバレ注意です。 ◯ 千斗いすずのキャラクターとしての「覚醒回」だった第4話。描かれたモチーフとしては「適材適所」みたいなことがひとつありました。 いすずが軍人の家系出身だったことが明らか…

うさぎ山商店街の 「 if 」としての『甘城ブリリアントパーク』

もう気付いてる人も多いと思うので、ちょっと今更感あるんですけど、『たまこまーけっと』ファンとしてはやはり言っておきたい!とウズウズしてしまったので、第1話の感想もかねておもわず更新。 『甘ブリ』って、『たまこま』を意識させるシーン入れてきて…

拡散と凝縮 ~ たまこラブストーリー 感想

『たまこラブストーリー』BD/DVDが10月10日(金)に発売(Blu-ray & DVD:PRODUCT | 『たまこラブストーリー』公式サイト)!ということで、記念?更新です。 『たまこま』と『たまこラ』に関しては、なにしろ好きなのでこれまでにも何度か記事を書いてきた…

雑感/どうして記事が長くなってしまうのか?他

かなりとりとめのない雑感、月末の反省会的記事。なぜか一瞬『魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』のネタバレがあります。 丁稚:番頭さん、ちょっとこの記事読んでみてくださいよ。 (15年2月1日追記:アニメ専門サイト『AniFav』の『たまこラブストーリー…

「内」と「外」 ~『ハナヤマタ』と『けいおん!』、演出の視点について

先日放映が開始された『ハナヤマタ』。 きらら系原作、シリーズ構成が吉田玲子、そして冒頭いきなり『けいおん!』まんまのシチュエーションでの演奏シーンをぶっこんできたということで、「おっ攻めの姿勢!」と軽くのけぞったんですが、このあたりについて…

北白川たまこの孤独と、その解消

わりとよくいわれることですが、『たまこまーけっと』の北白川たまこは、感情移入のし辛い主人公でした。ファンのあいだでも「サブキャラは応援したくなるけど、たまこは何考えてるのかわかんなくてちょっと不気味」なんて意見がチラホラきかれたぐらい(あ…

「連関天則」の意味するもの 〜『中二病でも恋がしたい!戀』感想②

このあいだアクセス解析を眺めていたら、「連関天則」のキーワード検索経由でこのブログを覗いてくれる方が時折いるらしいことに気づきました。 「連関天則」は『中二病でも恋がしたい!戀』のキャラクター、七宮智音が何度か口にする中二用語で、作品を理解…

洋楽好きに「日常系アニメ」の魅力を布教してみた。

最近ちょっとアニメに興味が出てきたという、非オタで音楽好きの友人との会話を元ネタにして書いてみました。 丁稚:今回は、音楽好きな番頭さんにむけて「日常系アニメ」の魅力を説明してみよう、という企画です。 番頭:日常系アニメって『けいおん!』と…

アニメは「あらすじ」ではない 〜 『たまこラブストーリー』感想 (ネタバレなし)

作品の情報量が多すぎて、まだ整理がついていない状態なんですが、もう予想を超えて素晴らしかった。頭クラクラしました。 観ている最中は、つねにスクリーンから気持ちの良い春の風がフワーっとただよってきて、観終わったあとも、映画に出てきたきれいな色…

『氷菓』で考える、技術と表現の関係

きのう、4月28日は、大好きなアニメ『氷菓』の主人公、折木奉太郎君の誕生日だったそうです(どうせなら間に合わせてアップしたかった)。小説『ふたりの距離の概算』では、けっこうハラハラな誕生日を過ごしていましたが、今年はどんな感じだったんでしょう…

「まーけっと」から「ストーリー」へ 〜 『たまこラブストーリー』への期待と妄想

いよいよ公開が近づいてきた『たまこラブストーリー』。 テレビシリーズのファンとしては、すごく楽しみなんです。公開に先立って、TBSオンデマンド他で『たまこまーけっと』の全話無料放送もあるそうです。こんどの週末、4月19日(土)24:00 ~ 4月20日(日…

「好き」を続けていくために 〜『中二病でも恋がしたい!戀』感想

※『中二病でも恋がしたい!』(1期・2期)のネタバレを含みますので、ご注意ください。 ◯ 1期でヒロイン・六花は勇太とつきあい始めましたが、恋愛は必然的に、自分の周囲の状況に「変化」をもたらすもの*1。2期『戀』の六花はそのような「変化」にとま…

日常系アニメこそ作画が命、という話

ちょっと前にニコニコ生放送で、ある「日常系アニメ」を観ていたときのこと。 私は基本的にはコメントを表示しない派なのですが、その回はテレビ放映分をすでに観ていたこともあり「たまには」と、めずらしくコメント表示をONにして楽しんでいました。 その…

『たまこまーけっと』と『風立ちぬ』 3.11以降の主人公たち ㊦

「たまこと二郎」編 ㊤編はこちら → はてなブログ ◯赦されない主人公、二郎 『風立ちぬ』で、二郎の葛藤がほとんど描かれなかった理由について、高橋源一郎はこのように分析していました。 この人(二郎)が戦争の責任や苦しみを感じて、葛藤を持つと、普通…

『たまこまーけっと』と『風立ちぬ』 3.11以降の主人公たち ㊥

『たまこまーけっと』編 ◯「内面」のわかりにくい主人公 TVシリーズ『たまこまーけっと』を受けて、四月に公開予定の映画『たまこラブストーリー』の公式サイトに、山田尚子監督へのインタビュー(SPECIAL | 『たまこラブストーリー』公式サイト)が掲載され…

『たまこまーけっと』と『風立ちぬ』 3.11以降の主人公たち ㊤

『風立ちぬ』編 ◯はじめに 「感情の読めない声」を与えられた主人公たち 『たまこまーけっと』と『風立ちぬ』。 2013年に制作された、という以外には共通点のなさそうな、ぜんぜん作風のちがうアニメです。でも私はこのふたつの作品に、似通った感触を感じま…