ねざめ堂

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京都アニメーション

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形』感想

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形』(2019年)*1のネタバレ感想です。 この記事は、以前書いた『ヴァイオレット』テレビ版感想記事へのごく簡単な付け足し・補遺という位置づけです。そのため、↓を読んでいないと分かりづらい個…

『リズと青い鳥』雑感(再掲)

このブログでは年末に『今年もまた暮れてった』というタイトルの記事を掲載するのが毎年の恒例行事になっています。 内容はたいてい、雑然とした一年間の振り返り。短時間で書き散らしてさっとアップして、お正月が過ぎると引っ込めてしまうという、松飾りみ…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』感想④:他者の流入

※感想③はこちら 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』最終話までに加えて、話の都合で『CLANNAD ~AFTER STORY~』のネタバレもしています。ご了承ください。

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』感想③:未来の流入

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(公式サイト)については、第6話までが放映された時点で記事を書いたんですけど、 感想①:変えられる / 変わってしまうものとしての過去 感想②:他人のなかの未来の自分 この内容を踏まえたうえで、今回はアニメ最終…

雑記:『リズと青い鳥』

※この雑記は次回更新時に削除します 本日から公開の『リズと青い鳥』観てきました。 『リズと青い鳥』公式サイト ネタバレは避けつつ、でも何か言ってみたい衝動に負けての勢いまかせのつぶやきなんですが、えーとこのアニメーションは今までのアニメーショ…

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』感想②:他人のなかの未来の自分

※感想①:過去編に続き、②未来編 です。今回も、第1話~第6話のネタバレ注意です。

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』感想①:変えられる / 変わってしまうものとしての過去

放映中のアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(公式サイト)の感想です。原作小説は未読なので、アニメ版のみについての内容になっています。 今回はテーマごとに、記事を ①過去編 ②未来編 の2本に分けてみました。どちらも、第1話~第6話(現時…

『3月のライオン』(アニメ版)感想②:桐山零の見習い時代

10月から第2シリーズの放映がスタートした『3月のライオン』(公式サイト)。このアニメについては、以前当ブログで第1シリーズ前半分(第1話~第11話)の感想を書いたんですが、 『3月のライオン』(アニメ版)感想①:「競争」と「共同体」のバランスゲー…

『小林さんちのメイドラゴン』感想:イシュカン・ディスコミュニケーション

先日最終回が放映された『小林さんちのメイドラゴン』(公式サイト)。 あまりにも愛おしいアニメだったので完全にドラゴンロスになってしまい、春アニメに頭がうまく切り替えられない状態です。ずっと前から言われてることだけど、放映されるアニメが多すぎ…

『3月のライオン』(アニメ版)感想①:「競争」と「共同体」のバランスゲーム

NHK総合で毎週土曜日に放映中のアニメ『3月のライオン』(公式サイト)。 じつは私はまだ羽海野チカの原作を読んでいないのですが(『ハチミツとクローバー』は大好きだったので、こちらもそのうちまとめ読みしたい)、数々の賞を受賞し大ヒット、今春には…

映画『聲の形』感想メモ:「スキ」と「バカ」

※ちょっとした「気付き」についてのメモ的記事。ネタバレあり〼 先日行われた『聲の形』の舞台挨拶で、山田尚子監督がこんなエピソードを披露していたそうです。原作にはないアニメオリジナルのシーン…学園祭での硝子と植野の「バカ」のやりとり、手話(指文…

『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』記事のまとめ

当ブログでは『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』関連の記事を書きすぎて、どれから読んだら良いのかわかりにくい状態になってしまっているので、比較的まとまりが良いんじゃないかなー?と思われる記事を4本抜粋して宣伝です。 まず『たまこまー…

映画『聲の形』感想 ~コミュニケーションの不完全さをあぶりだす

※記事前半はネタバレなし、後半はネタバレあり感想です。 先日、試写会でひと足早く、映画『聲の形』(公式サイト)を観ることができました。誘ってくれたランゲージダイアリーの相羽さん(ブログ)ありがとうございます!! 大変な傑作でした...。「すっご…

『無彩限のファントム・ワールド』と、10年代京アニの現在地点(後編)

※前編はこちら ◯虚構は現実に憧れる 前編は「現実・日常」指向の強い『けいおん!』と、その後期から浮上した「共同体テーマ」についてざっと触れたところで終わりました。 ここからの後編では「虚構と現実の縫合」へのアプローチを継続した作品について見て…

『無彩限のファントム・ワールド』と、10年代京アニの現在地点(前編)

ゼロ年代京都アニメーションの代表作『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズ。 この記事は、「10年代京アニ諸作品の原点=『ハルヒ』」という仮定のもとに、『ハルヒ』以降の京アニがどのように作品を発展・展開させた結果、最新作『無彩限のファントム・ワールド』に…

「メタ日常系アニメ」あるいは「共同体アニメ」としての『たまこまーけっと』

この記事は、一連の「たまこまーけっとを振り返る」シリーズ(記事一覧 )の補記として、作品世界の構造をあらためて整理することを目的としたものです。 これまでの記事とかなり重複する個所がありますが、ご容赦ください。このテーマで単独で記事を1本立…

『たまこまーけっと』を振り返る 第11話・第12話

基本的に一話完結だった『たまこまーけっと』で、初めての続きものエピソード…ということで、今回は、第11話・第12話(最終回)の合わせ技。 ね、年内に完結させようと焦ったわけじゃないんだからね! 『たまこまーけっと』シリーズのネタバレがありますので…

『たまこまーけっと』を振り返る 第10話

『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第10話『あの子のバトンに花が咲く』 脚本:横手美智子絵コンテ・演出:小川太一作画監督:丸木宣明 第3話『クールなあの子にあっちっち』の感想と被ってしまいますが、第3…

『たまこまーけっと』を振り返る 第9話

『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』のネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第9話『歌っちゃうんだ、恋の歌』 脚本:吉田玲子 絵コンテ・演出:三好一郎 作画監督:内藤直 脚本・吉田玲子と、演出・三好一郎(木上益治)の匠の技が冴えわ…

『たまこまーけっと』を振り返る 第8話

『たまこまーけっと』シリーズのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第8話『ニワトリだとは言わせねぇ』 脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:武本康弘 作画監督:植野千世子 うさぎ山商店街という「場」のあり方を、商店街の「外側」を意識させる描…

『たまこまーけっと』を振り返る 第7話

『たまこまーけっと』シリーズのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第7話『あの子がお嫁にいっちゃった』 脚本:吉田玲子 絵コンテ:内海紘子 演出:石原立也・石立太一 作画監督:池田和美 スタッフの布陣が豪華ですが、シリーズ的にもターニング…

『響け!ユーフォニアム』を振り返る 後編:ポスト・キョンとしての黄前久美子

前編はこちら 『響け!ユーフォニアム』シリーズ全編に加えて、原作小説1巻(アニメ最終回までに相当)、そして『涼宮ハルヒの憂鬱』(アニメ版)のネタバレがありますので、ご注意ください。

『響け!ユーフォニアム』を振り返る 前編:他者の異質性の肯定

最終回が終ってしまったショックで(アニメ生活的に)ちょっと抜け殻になってたんですけど、気を取り直して感想を。 以前、第1回~第10回までについて「「異質な他者」の可能性 」という記事を書いたので、今回はそれをふまえての、最終回までのネタバレ…

『たまこまーけっと』を振り返る 第6話

※『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第6話『俺の背筋も凍ったぜ』 脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:河浪栄作 作画監督:引山佳代 『たまこまーけっと』というアニメの語り口の特異さについては、これまでの…

『響け!ユーフォニアム』 第12回で描かれる「鏡」としての他者

なにかと周囲に流されやすく、楽器もなんとなく成り行きで決めたようなキャラクターだった久美子が、ユーフォニアムにたいしての自分の気持ちを確認する、という「主人公覚醒回」だった第12回。 …なんですが、その「覚醒」は自分の中だけでもたらされるも…

『響け!ユーフォニアム』で描かれる「異質な他者」の可能性

※『響け!ユーフォニアム』第10話までのネタバレを含みますので、ご注意ください。 ◯前提:京都アニメーション作品の文脈 これは、去年の春に『ハナヤマタ』の放映が始まったときの「ランゲージダイアリー」相羽さんの記事なのですが(言及リンクありがと…

『響け!ユーフォニアム』第八回 しかえしポニーテール

※前回の記事のおまけです。

『響け!ユーフォニアム』第8話の麗奈無双と、キャラクターのネーミングについて

※ネタバレ注意です。 あらゆる意味で凄かった第8話。 とくにBパートの麗奈様無双には圧倒されました。いつもはクールで無表情な彼女ですが、「学校の外」「夜」という、作品の「日常」からはちょっとだけ離れたセッティングに「久美子の前」という条件がプ…

『響け!ユーフォニアム』3年生メンバーたちの関係性に萌える

※タイトルどおり、3年生メンバーたちの関係性に萌えてるだけのゆるーい記事です。第7話までのネタバレがありますので、ご注意ください。 『響け!ユーフォニアム』が毎週素晴らしすぎて幸せです。 どのエピソードも何回も観返してるんですけど、演出・作画…

『たまこまーけっと』を振り返る 第5話

『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第5話『一夜を共に過ごしたぜ』 脚本:花田十輝 絵コンテ・演出:太田里香 作画監督:秋竹斉一 『たまこまーけっと』では、北白川たまこと共に「うさぎ山商店街」という場…