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ねざめ堂

アニメ・映画・音楽

成長と、その失敗の物語 〜『思い出のマーニー』感想

※映画・原作のネタバレを含みますので、ご注意ください。 正直あまり期待してなくて「一応おさえとくか」ぐらいな感じで先日やっとこさ観た『思い出のマーニー』…ところが、これがめちゃくちゃ良かった。エンドクレジットを眺めながら「 ”おさえとくか” なん…

「分人」の視点からみる『ゆゆ式』 ~『ゆゆ式』感想 その②

※その①はこちら→ 『ゆゆ式』感想 その① 今回は「分人」という視点から、アニメ『ゆゆ式』を見てみます。 「分人」は作家の平野啓一郎が提唱しているあたらしい言葉・人間観で、それについて書かれた新書(『私とは何か 「個人」から「分人」へ』)は話題にな…

友情/独立/分人 ~『ゆゆ式』感想 その①

ふと気付けば、アニメ版『ゆゆ式』の放映からはや丸1年…ってウソだろ! と唖然としたのが先月のこと。それから少しずつ見返して、先日最終話まで見終えのですが、いやーやっぱり面白いです。見ればみるほど脚本も演出も緻密。 原作・アニメともに、この作品の…

雑感/どうして記事が長くなってしまうのか?他

かなりとりとめのない雑感、月末の反省会的記事。なぜか一瞬『魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』のネタバレがあります。 丁稚:番頭さん、ちょっとこの記事読んでみてくださいよ。 (15年2月1日追記:アニメ専門サイト『AniFav』の『たまこラブストーリー…

「内」と「外」 ~『ハナヤマタ』と『けいおん!』、演出の視点について

先日放映が開始された『ハナヤマタ』。 きらら系原作、シリーズ構成が吉田玲子、そして冒頭いきなり『けいおん!』まんまのシチュエーションでの演奏シーンをぶっこんできたということで、「おっ攻めの姿勢!」と軽くのけぞったんですが、このあたりについて…

北白川たまこの孤独と、その解消

わりとよくいわれることですが、『たまこまーけっと』の北白川たまこは、感情移入のし辛い主人公でした。ファンのあいだでも「サブキャラは応援したくなるけど、たまこは何考えてるのかわかんなくてちょっと不気味」なんて意見がチラホラきかれたぐらい(あ…

「連関天則」の意味するもの 〜『中二病でも恋がしたい!戀』感想②

このあいだアクセス解析を眺めていたら、「連関天則」のキーワード検索経由でこのブログを覗いてくれる方が時折いるらしいことに気づきました。 「連関天則」は『中二病でも恋がしたい!戀』のキャラクター、七宮智音が何度か口にする中二用語で、作品を理解…

洋楽好きに「日常系アニメ」の魅力を布教してみた。

最近ちょっとアニメに興味が出てきたという、非オタで音楽好きの友人との会話を元ネタにして書いてみました。 丁稚:今回は、音楽好きな番頭さんにむけて「日常系アニメ」の魅力を説明してみよう、という企画です。 番頭:日常系アニメって『けいおん!』と…

「はみだし者」の存在意義 〜 僕らはみんな河合荘 感想

※『僕らはみんな河合荘』第6話『もしかして』のネタバレがありますのでご注意ください。 アニメやまんがにでてくる「下宿」や「寮」って、「変人の巣窟」なことが多いですね。とくに、そこが作品のメイン舞台の場合。 作り手は「おもしろい話」を作ろうとし…

美少女キャラの消失 〜『かぐや姫の物語』感想

幾原邦彦監督の、この映画への反応。2013年12月1日のツイート。 そんなに解釈を考えることなく、頭の中、真っ白で観ても十分に面白いと思う。 それでも考えるなら「私たちを食べさせてくれたナウ×カとか美少女は月に帰ってしまいました。それでもここに残さ…

アニメは「あらすじ」ではない 〜 『たまこラブストーリー』感想 (ネタバレなし)

作品の情報量が多すぎて、まだ整理がついていない状態なんですが、もう予想を超えて素晴らしかった。頭クラクラしました。 観ている最中は、つねにスクリーンから気持ちの良い春の風がフワーっとただよってきて、観終わったあとも、映画に出てきたきれいな色…

『氷菓』で考える、技術と表現の関係

きのう、4月28日は、大好きなアニメ『氷菓』の主人公、折木奉太郎君の誕生日だったそうです(どうせなら間に合わせてアップしたかった)。小説『ふたりの距離の概算』では、けっこうハラハラな誕生日を過ごしていましたが、今年はどんな感じだったんでしょう…

サリーと鹿目まどか 、トム・ヨークと堀越二郎 〜『モンスターズ・インク』感想

『モンスターズ・インク』と『魔法少女まどか☆マギカ』のネタバレを含みますので、ご注意ください。 ◯ 映画の舞台は、モンスターたちが生活する世界。 この世界は、人間の子供があげる悲鳴をエネルギー源にして動いています。「モンスターズ・インク」は、そ…

「まーけっと」から「ストーリー」へ 〜 『たまこラブストーリー』への期待と妄想

いよいよ公開が近づいてきた『たまこラブストーリー』。 テレビシリーズのファンとしては、すごく楽しみなんです。公開に先立って、TBSオンデマンド他で『たまこまーけっと』の全話無料放送もあるそうです。こんどの週末、4月19日(土)24:00 ~ 4月20日(日…

「好き」を続けていくために 〜『中二病でも恋がしたい!戀』感想

※『中二病でも恋がしたい!』(1期・2期)のネタバレを含みますので、ご注意ください。 ◯ 1期でヒロイン・六花は勇太とつきあい始めましたが、恋愛は必然的に、自分の周囲の状況に「変化」をもたらすもの*1。2期『戀』の六花はそのような「変化」にとま…

「物語の力」についての物語 〜 Wake Up,Girls! 感想

先日、最終回が放映された『Wake Up, Girls!』。 地元・仙台が舞台になっているということで、ちょっと贔屓しつつ、いろいろとハラハラしながら応援していたのですが、良い作品でした。緑の多い街並の雰囲気とかもすごく上手く出ていて。 街を歩いていると、…

日常系アニメこそ作画が命、という話

ちょっと前にニコニコ生放送で、ある「日常系アニメ」を観ていたときのこと。 私は基本的にはコメントを表示しない派なのですが、その回はテレビ放映分をすでに観ていたこともあり「たまには」と、めずらしくコメント表示をONにして楽しんでいました。 その…

『たまこまーけっと』と『風立ちぬ』 3.11以降の主人公たち ㊦

「たまこと二郎」編 ㊤編はこちら → はてなブログ ◯赦されない主人公、二郎 『風立ちぬ』で、二郎の葛藤がほとんど描かれなかった理由について、高橋源一郎はこのように分析していました。 この人(二郎)が戦争の責任や苦しみを感じて、葛藤を持つと、普通…

『たまこまーけっと』と『風立ちぬ』 3.11以降の主人公たち ㊥

『たまこまーけっと』編 ◯「内面」のわかりにくい主人公 TVシリーズ『たまこまーけっと』を受けて、四月に公開予定の映画『たまこラブストーリー』の公式サイトに、山田尚子監督へのインタビュー(SPECIAL | 『たまこラブストーリー』公式サイト)が掲載され…

『たまこまーけっと』と『風立ちぬ』 3.11以降の主人公たち ㊤

『風立ちぬ』編 ◯はじめに 「感情の読めない声」を与えられた主人公たち 『たまこまーけっと』と『風立ちぬ』。 2013年に制作された、という以外には共通点のなさそうな、ぜんぜん作風のちがうアニメです。でも私はこのふたつの作品に、似通った感触を感じま…