読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ねざめ堂

アニメ・映画・音楽

宣伝:『たまこまーけっと』関連記事・『聲の形』BD/DVD発売など

※この宣伝記事は今月中に消滅します。 こんどの土曜日(明後日)ニコニコ生放送で『たまこまーけっと』が一挙放送だそうです。 「たまこまーけっと」全12話一挙放送 - 2017/03/18 16:00開始 - ニコニコ生放送 じつはこのアニメ、『氷菓』とならんで京アニ史…

『クズの本懐』感想:代替可能な恋愛関係

現在ノイタミナ枠で放映中のアニメ『クズの本懐』(公式サイト)。 昼ドラばりの扇情的なエロ展開を連発しているようでいて、根っこの部分では青春ものの王道テーマをきっちりとふまえた良作で、毎週楽しく観ております。花火ちゃん愚かわいい。 この記事は…

『Dolls ドールズ』感想 ~人が向きあうことの困難さ

北野武監督『Dolls ドールズ』(2002年)の感想です。 じつはこれ、長年「北野監督のなかではイマイチだな〜」という印象をもっていた映画だったんですが、先日の深夜テレビでやっていたので久々に観てみたら、思いのほか良くてびっくり。よくいわれることで…

『3月のライオン』(アニメ版)感想 ~「競争」と「共同体」のバランスゲーム

NHK総合で毎週土曜日に放映中のアニメ『3月のライオン』(公式サイト)。 じつは私はまだ羽海野チカの原作を読んでいないのですが(『ハチミツとクローバー』は大好きだったので、こちらもそのうちまとめ読みしたい)、数々の賞を受賞し大ヒット、今春には…

『ゴーン・ガール』感想  ~「外面」が勝利する世界

デヴィッド・フィンチャー監督『ゴーン・ガール』(2014年)の感想です。この映画については、公開当時に記事を書いたんですけど↓ 軟着陸は可能か? ~『ゴーン・ガール』感想 今回の文章は、そのときボツにしたバージョンです(さいきん文書フォルダを整理…

『がっこうぐらし!』感想 ~丈槍由紀と「かれら」の失楽園

アニメ版『がっこうぐらし!』の感想です。この作品については、リアルタイム放映時(2015年秋)にも記事を書いていたんですが↓ 丈槍由紀は堕天する、のか? ~『がっこうぐらし!』雑感 丈槍由紀の(半)堕天 ~『がっこうぐらし!』雑感 その② 今回はあら…

『淵に立つ』の浅野忠信をみて考えたこと

『淵に立つ』(公式サイト)を観た。素晴らしかった。「夫婦や親子といってもやっぱり理解しあえない他人同士だし、そういう人たちがなんか一緒に暮らしてる家族って不思議」という映画で、でも「しょせんは家族なんて」みたいな幼稚な露悪趣味は感じさせず…

映画『聲の形』感想メモ:「スキ」と「バカ」

※ちょっとした「気付き」についてのメモ的記事。ネタバレあり〼 先日行われた『聲の形』の舞台挨拶で、山田尚子監督がこんなエピソードを披露していたそうです。原作にはないアニメオリジナルのシーン…学園祭での硝子と植野の「バカ」のやりとり、手話(指文…

『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』記事のまとめ

当ブログでは『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』関連の記事を書きすぎて、どれから読んだら良いのかわかりにくい状態になってしまっているので、比較的まとまりが良いんじゃないかなー?と思われる記事を4本抜粋して宣伝です。 まず『たまこまー…

映画『聲の形』感想 ~コミュニケーションの不完全さをあぶりだす

※記事前半はネタバレなし、後半はネタバレあり感想です。 先日、試写会でひと足早く、映画『聲の形』(公式サイト)を観ることができました。誘ってくれたランゲージダイアリーの相羽さん(ブログ)ありがとうございます!! 大変な傑作でした...。「すっご…

『パルプ・フィクション』感想 〜ストーリーとテーマの「ズレ」が生む気持ち良さ

クエンティン・タランティーノ監督『パルプ・フィクション』(1994年)を超ひさびさに観直したので感想です。ネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯ストーリー:着地点なし 『パルプ・フィクション』はいちおうクライム・ムービーの体裁をそなえてはい…

『菊次郎の夏』感想 ~「あの世」からの生還

北野武監督の『ソナチネ』(1993年)と『菊次郎の夏』(1999年)を比較した記事を以前書いたことがあるのですが、 北野映画、「遊び」の意味の変遷 ~『ソナチネ』『菊次郎の夏』感想 今回は、その文章には盛り込むことのできなかった事柄を掬い上げた記事で…

『クリーピー 偽りの隣人』感想 〜「本当はつながってないよ、人間なんて」

楽しみにしていたのに何かとタイミングがあわず、先日やっと観てきた『クリーピー 偽りの隣人』。 大傑作でした。ひさびさの「ジャンルから逸脱するジャンル映画」を撮る黒沢清!バカでかい掃除機最高!!! 以下、ネタバレ感想です。 ◯秩序型・無秩序型・混…

『ふらいんぐうぃっち』をキーカラーで振り返る

当ブログではこのところアニメの記事がご無沙汰だったんですが、今期もいろいろと楽しく観ておりました。 なかでも『ふらいんぐうぃっち』は、一見のほほんとしているようでその実しっかりと練り込まれたストーリー構成や、きめ細かい演出に惚れ惚れとさせら…

『アウトレイジ』と『アウトレイジ・ビヨンド』の面白味の違い

ふと思い立って、公開当時に映画館で観たきりだった北野武監督『アウトレイジ』(2010年)と続編『アウトレイジ・ビヨンド』(2012年)をまとめて鑑賞。 続けて観たら、シリーズ1作目と2作目ではけっこう違う種類の面白味を追求していることに気付いたので…

『ワールド・ウォー・Z』(小説版)~中心のない悪夢

世界ゾンビ大戦小説『ワールド・ウォー・Z』を今ごろ読んだので感想です(原書:2006年 日本語版:2010年出版)。著者のマックス・ブルックスって、あのメル・ブルックスの息子なんですね。びっくり。 小説とは別物だった、ブラッド・ピット主演の映画版(20…

『ドリーマーズ』 〜脱出→回収のサイクル

じき5月なので…という訳でもないですが、5月革命のころのパリを舞台にした映画、ベルナルド・ベルトルッチ監督『ドリーマーズ』(2003年)のネタバレ感想です。

『無彩限のファントム・ワールド』と、10年代京アニの現在地点(後編)

※前編はこちら ◯虚構は現実に憧れる 前編は「現実・日常」指向の強い『けいおん!』と、その後期から浮上した「共同体テーマ」についてざっと触れたところで終わりました。 ここからの後編では「虚構と現実の縫合」へのアプローチを継続した作品について見て…

『無彩限のファントム・ワールド』と、10年代京アニの現在地点(前編)

ゼロ年代京都アニメーションの代表作『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズ。 この記事は、「10年代京アニ諸作品の原点=『ハルヒ』」という仮定のもとに、『ハルヒ』以降の京アニがどのように作品を発展・展開させた結果、最新作『無彩限のファントム・ワールド』に…

『モンスターズ・インク』 ~システム再定義の物語

こんどの金・土曜日に『モンスターズ・インク』(2001年)~『モンスターズ・ユニバーシティ』(2013年)の連続放送があるそうです(終了しました)。とくに『モンスターズ・インク』は傑作なので、未見の方はぜひ! このアニメ、エネルギー供給システム(広…

都市に踏みとどまる「赤い服の女」 ~『トウキョウソナタ』感想

昨年の『岸辺の旅』に続き、今年も黒沢清監督の新作が2本も観られる!嬉しい。 まず『クリーピー』は6月公開。 最近、一足先に観た人たちの「やべえ!」というリアクションがちらほらと視界に入ってきてイライラMAXです。はやく観てえ...。 (追記:『クリ…

「ファミリー」映画としての『オーシャンズ12』

景気の悪いことが多くて、パーっと豪華な娯楽映画が見たい気分になったので、ひさびさに『オーシャンズ12』を鑑賞。 これを3週間で撮影してしまうソダーバーグ!クルーニーとブラピが並んだときの無敵のゴージャス感!なんか色々と別次元です。ハリウッドす…

「スクールアイドル・プロジェクト 第0話」としての『ラブライブ!The School Idol Movie』

公開時に観逃していた劇場版*1をようやくフォローできたので感想です。 「神モブ」(通称)のテレビ版からのキャラ変更を起点に、あれこれ考えたことなど(ネタバレ注意)。 ◯テレビ版とのコンセプトの違い 観終えてまず思ったのは、テレビ版と今回の劇場版…

双方向の侵蝕 ~『ベニスに死す』感想

お正月に久々に観返したら、やっぱり「エエな〜」となったので、むかし他所のサイトに投稿した感想文をちょっといじって転載(小説じゃなくて、ルキノ・ヴィスコンティの映画版の感想です)。

「メタ日常系アニメ」あるいは「共同体アニメ」としての『たまこまーけっと』

この記事は、一連の「たまこまーけっとを振り返る」シリーズ(記事一覧 )の補記として、作品世界の構造をあらためて整理することを目的としたものです。 これまでの記事とかなり重複する個所がありますが、ご容赦ください。このテーマで単独で記事を1本立…

『たまこまーけっと』を振り返る 第11話・第12話

基本的に一話完結だった『たまこまーけっと』で、初めての続きものエピソード…ということで、今回は、第11話・第12話(最終回)の合わせ技。 ね、年内に完結させようと焦ったわけじゃないんだからね! 『たまこまーけっと』シリーズのネタバレがありますので…

ダイ・ハード老人に戦慄する ~『ザ・シークレット・サービス』感想

先日の深夜に地元のテレビ局で放映されていたから…というローカルな理由で、『ザ・シークレット・サービス』(1993年 ウォルフガング・ペーターゼン監督 クリント・イーストウッド主演)*1のネタバレ感想です。 ペーターゼン監督の映画って、超大作になると…

『たまこまーけっと』を振り返る 第10話

『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第10話『あの子のバトンに花が咲く』 脚本:横手美智子絵コンテ・演出:小川太一作画監督:丸木宣明 第3話『クールなあの子にあっちっち』の感想と被ってしまいますが、第3…

『たまこまーけっと』を振り返る 第9話

『たまこまーけっと』『たまこラブストーリー』のネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第9話『歌っちゃうんだ、恋の歌』 脚本:吉田玲子 絵コンテ・演出:三好一郎 作画監督:内藤直 脚本・吉田玲子と、演出・三好一郎(木上益治)の匠の技が冴えわ…

『たまこまーけっと』を振り返る 第8話

『たまこまーけっと』シリーズのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第8話『ニワトリだとは言わせねぇ』 脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:武本康弘 作画監督:植野千世子 うさぎ山商店街という「場」のあり方を、商店街の「外側」を意識させる描…

丈槍由紀の(半)堕天 ~『がっこうぐらし!』雑感 その②

※前回の記事(丈槍由紀は堕天する、のか? )に付け足しで、最終回の感想。ネタバレ注意です。 ▶︎日常系的妄想世界と、ゾンビまみれの現実との間で揺れていた由紀。最終的には、日常系的な想像力を「現実逃避の手段」から「現実にコミットし、現状を打破する…

丈槍由紀は堕天する、のか? ~『がっこうぐらし!』雑感

※原作マンガは未読、アニメ版第9話までに準拠したネタバレ感想です。 ◯月宮あゆと丈槍由紀と、天使のリュック ▶︎『がっこうぐらし!』が面白い。ヒロインの丈槍由紀が、荒廃したゾンビだらけの世界で平穏な学園生活を妄想し、周囲の部員たちがその妄想世界…

HMOとかの中の人。『初音ミクオーケストラ』

ボーカロイドによるYMOカバーの代表格、「HMOとかの中の人。」による『初音ミクオーケストラ』(2009年)。 ミクさんの誕生日に便乗して、以前書いた文章を救済です。

『たまこまーけっと』を振り返る 第7話

『たまこまーけっと』シリーズのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第7話『あの子がお嫁にいっちゃった』 脚本:吉田玲子 絵コンテ:内海紘子 演出:石原立也・石立太一 作画監督:池田和美 スタッフの布陣が豪華ですが、シリーズ的にもターニング…

他者/ノイズ ~坂本龍一『Beauty』

「毎年、夏になるとこれ聴きたくなるんだよねー」という定番的なアルバムは誰にでもあると思うけど、自分にとってはこの『Beauty』(1989年)がその筆頭にあがる。 アルバムのオープニングを飾る『Calling From Tokyo』のねばっこく腰のあるドラムと、その上…

『響け!ユーフォニアム』を振り返る 後編:ポスト・キョンとしての黄前久美子

前編はこちら 『響け!ユーフォニアム』シリーズ全編に加えて、原作小説1巻(アニメ最終回までに相当)、そして『涼宮ハルヒの憂鬱』(アニメ版)のネタバレがありますので、ご注意ください。

『響け!ユーフォニアム』を振り返る 前編:他者の異質性の肯定

最終回が終ってしまったショックで(アニメ生活的に)ちょっと抜け殻になってたんですけど、気を取り直して感想を。 以前、第1回~第10回までについて「「異質な他者」の可能性 」という記事を書いたので、今回はそれをふまえての、最終回までのネタバレ…

『たまこまーけっと』を振り返る 第6話

※『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第6話『俺の背筋も凍ったぜ』 脚本:横手美智子 絵コンテ・演出:河浪栄作 作画監督:引山佳代 『たまこまーけっと』というアニメの語り口の特異さについては、これまでの…

『響け!ユーフォニアム』 第12回で描かれる「鏡」としての他者

なにかと周囲に流されやすく、楽器もなんとなく成り行きで決めたようなキャラクターだった久美子が、ユーフォニアムにたいしての自分の気持ちを確認する、という「主人公覚醒回」だった第12回。 …なんですが、その「覚醒」は自分の中だけでもたらされるも…

『響け!ユーフォニアム』で描かれる「異質な他者」の可能性

※『響け!ユーフォニアム』第10話までのネタバレを含みますので、ご注意ください。 ◯前提:京都アニメーション作品の文脈 これは、去年の春に『ハナヤマタ』の放映が始まったときの「ランゲージダイアリー」相羽さんの記事なのですが(言及リンクありがと…

『響け!ユーフォニアム』第八回 しかえしポニーテール

※前回の記事のおまけです。

『響け!ユーフォニアム』第8話の麗奈無双と、キャラクターのネーミングについて

※ネタバレ注意です。 あらゆる意味で凄かった第8話。 とくにBパートの麗奈様無双には圧倒されました。いつもはクールで無表情な彼女ですが、「学校の外」「夜」という、作品の「日常」からはちょっとだけ離れたセッティングに「久美子の前」という条件がプ…

『響け!ユーフォニアム』3年生メンバーたちの関係性に萌える

※タイトルどおり、3年生メンバーたちの関係性に萌えてるだけのゆるーい記事です。第7話までのネタバレがありますので、ご注意ください。 『響け!ユーフォニアム』が毎週素晴らしすぎて幸せです。 どのエピソードも何回も観返してるんですけど、演出・作画…

『たまこまーけっと』を振り返る 第5話

『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第5話『一夜を共に過ごしたぜ』 脚本:花田十輝 絵コンテ・演出:太田里香 作画監督:秋竹斉一 『たまこまーけっと』では、北白川たまこと共に「うさぎ山商店街」という場…

良いニュースと、悪いニュースがある。 ~『パンチドランク・ラブ』感想

ポール・トーマス・アンダーソン監督の新作『インヒアレント・ヴァイス』が公開中。 映画『インヒアレント・ヴァイス』オフィシャルサイト 原作トマス・ピンチョン(おお)、音楽は今回もジョニー・グリーンウッド様。え、CANの『ビタミンC』なんて使ってる…

『たまこまーけっと』を振り返る 第4話

今日、4月19日(日曜)の深夜0時から、WOWOWで『たまこまーけっと』第1〜6話が放映(7〜12話は翌週放映)。 たまこまーけっと|アニメ|WOWOWオンライン そして4月29日(水・祝)には、『たまこラブストーリー』がテレビ初放映。 たまこラブスト…

『たまこまーけっと』を振り返る 第3話

『たまこまーけっと』シリーズ通してのネタバレがありますので、ご注意ください。 ◯第3話『クールなあの子にあっちっち』 脚本:吉田玲子絵コンテ・演出:小川太一作画監督:丸木宣明 最近だと『甘城ブリリアントパーク』第4話(感想)と第10話でも素晴…

『たまこまーけっと』を振り返る 第2.5話 ~ 作品の視点の特異さについて

3月18日(水)に『たまこまーけっと』BD-BOXが発売。 Blu-ray & DVD:PRODUCT | 『たまこラブストーリー』公式サイト そして本日、3月15日(日)深夜からスタートするWOWOWの京アニ特番。 設立30周年!“京都アニメーション”春の祭典|アニメ|WOWOW 下…

『PSYCO-PASS サイコパス2』を振り返る 後編

※前編はこちら ◯公正ではないシステムにどう対抗するか ・システムvs.システム 『劇場版サイコパス』の感想のなかで、私は「”個” はシステムに敵わない。システムには、システムで対抗する必要がある」みたいなことを書きました(『まどマギ』のネタバレがあ…

『PSYCO-PASS サイコパス2』を振り返る 前編

2期の前半(第1~5話)については以前感想を書いたんですけど、今回はシリーズ通しての振り返り記事です。以前の記事と内容がかぶっている部分もありますので、ご了承ください。 記事の流れは、こんな感じです。 ・前置き(1期と2期の「正義」の違い) …